護身術の目的

護身術は、文字通り自分の身を守るための技術です。ですから、相手を倒す方法ではなく、自分が安全に「逃げる」ことに主眼をおいています。例えば、暴漢に後ろから羽交い絞めにされた場合、どうやって振り切るか、というような事ですね。つまり、護身術は基本的に相手を攻撃する武術ではない、ということです。仮に多少、相手を攻撃する方法を身に付けたとしても、その反撃が逆に相手を激高させて、より危険な状態になってしまうということもありえます。いかに自分が安全に逃げ切ることができるのか、その方法が護身術なのです。
 日本では、現行犯人は、何人でも、逮捕状なくしてこれを逮捕することができると定められています。ですが、犯人を逮捕するよりも大事なのはやはり自分の命、自分の安全です。無理に犯人を現行犯逮捕しようとして、しなくてもいいケガを負う必要はありません。
 また、護身術とは、例えば暴漢から逃れる具体的な方法だけを指す訳ではありません。広義には、危ない場所には近付かない、危険に晒される可能性がある行動をとらない、そうした事も護身術の範囲と言えます。治安の悪い場所に行かない、夜中に1人で出歩かない、そうした日ごろの心がけも、大切な護身術といえます。日ごろから、こうした状況になったら、こうしようと考えておくだけでも、いざというときパニックに陥りにくくなり、助かる可能性は高くなります。護身術を習うというのは、そうした冷静さを保つことにも繋がるという訳です。

 
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